学会案内

本学会の目標と学会活動について紹介いたします。

 

日本総合口腔医療学会の目的は何ですか?

 日本総合口腔医療学会は、歯科医師・医師・獣医師そして様々な医療従事者が参加することによって、医療業の職種ごとに縦割り的な状態を解消していくことを目標とする学会です。本学会が育成していく医療人は、患者さんとの結びつきをより高い次元で実践し、総合的な口腔診療を行えるというものです。

 日本総合口腔医療学会は、患者さんの視点に立って患者さんの多彩な要望に応えられる幅広い知識と技術を有する総合口腔診療医(Oral Generalist)の養成と、医療技術の進歩に合わせて質の良い医療人の育成をします。

学会のスローガンの意味は?

 日本総合口腔医療学会のスローガンは「患者中心のより良い医療の実現のために」です。本学会は、治療上の意思決定権が患者さんにあると考え、患者さんが自分の治療に積極的に関与していけるような医療環境を作っていくことを目指します。

「患者中心の医療」とは何でしょうか?

 患者さんがこれまでの「おまかせ医療」から脱却し、治療法を自分で選択していく医療のことです。

本当に患者さんが自分で治療法を決められるのでしょうか?

 インターネットの普及で医療情報が容易に入手できる時代になりました。医療機関から医療に関する説明を受ける機会も増えてきています。しかし、医療に関する情報は高度にかつ複雑になっているため、患者さんは簡単に理解できるものではありません。患者さんは医療人から情報提供を受けただけでは、患者さんが満足できる治療法を選択することは困難です。また、治療法の選択肢が増えると迷って決められません。患者さんが自分で治療法を決めるのは難しい面があります。医療知識や治療法の「難解の壁」を取り払うため、患者さんは、本学会員による個人指導を受ける事が出来ます。

患者中心の医療の実現のためにはどうすれば良いでしょうか?

 医療に患者さんに満足と幸福をもたらす治療法を患者さんが選択し自己決定できるような環境を作ることが求められています。そのため、医療人には医師・患者関係の変化の理解と幅広い医療知識が必要です。医療人と本学会が協働してより良い環境作りを行います。それゆえに、患者さんが自分の意志でどのような治療法で受診を決められるようにするには、先ずは医療機関側からの情報提供として、本会を御利用下さい。

総合口腔医療とは何でしょう?

 これまで医療は身体を修理可能な部品の集合体であるとみなし医学は高度に細分化されてきました。そして、学会はその専門性からスペシャリストを養成してきました。そのため、全体的に医療の水準は向上してきました。しかし,患者さんへの問いかけは「どうしましたか?」から「どこが痛みますか?」へと変化しています。また,医師は患者さんの顔を見て話す時間より検査結果やパソコンを見る時間の方が長いのが実情です。一方で、患者さんは「私を見て欲しい」と願っております。本学会はこうした患者さんの訴えに応えるため総合的に患者さんを診る総合医療が必要と考えます。 本学会員にはスペシャリストの視点を持ちつつ、さらに患者さんを価値観と個性を持った人間であり文化的に構成されるものと捉える視点を持つことが求められます。そのため本学会は、患者さんの個別性や価値観に配慮した全人的な医療を実践できる医療人と総合口腔診療医(Oral Generalist)を養成することを目指します。

総合口腔診療医(Oral Generalist)に求められるのは何でしょうか?

 患者さんが治療法を自己決定できる環境を作ることです。総合口腔診療医は患者中心の医療を実践する医療人です.つまり、従来の疾病観に文化的視点を加えEBMとNBMを考慮した総合的な医療が行える医療人です。総合口腔診療医は、医学知識や診療体系の急速な進歩に対応かつ追随できるように治療法については横断的な広い知識と技術を持ち、人を総合的な見地で診ることができます。患者さんから信頼される医療人になれることを目標にします。

総合口腔診療医(Oral Generalist)の具備条件とは?

患者さんの語りに耳を傾けること
患者さんの痛みや苦悩を理解すること
患者さんの個性や価値観、家族や社会背景に配慮する
幅広い医学知識と経験を有し患者さんの理解困難な医療知識を補完する
患者さんの幸福を考えた多くの治療選択肢を提示できる
患者さんの意思を尊重して治療を進めることができる
患者さんの満足が得られる医療が行える

総合口腔医療医はどのように育成されるのでしょうか?

 学会では総合口腔診療医に関する研修や教育、研究を推進すると共に、獣医歯科学など多彩な口腔医療への取り組みを行います。総合口腔診療医に求められる視点を有し、患者さんに最適な治療法を提示できるような口腔治療に関連する総合的な知識を身につけた総合口腔診療医(Oral Generalist)を養成するため、広く医学・歯学・医療社会学・獣医歯科学の諸領域を横断する学際的教育プログラムを組みます。独自性を有する多種多様な課題や科目を設けます。

学会参加のメリットは何ですか?

 日本総合口腔医療学会は、総合口腔診療医を養成するため、学会が知識・技術の習得の場を提供し、さらに資格試験を行い認定し国民に総合口腔診療医の所在が分かるよう開示していきます。

具体的なメリットを列記します。

患者さんとともに医療を進めていくノウハウが分かります。
横断的で学際的な研修や講演が予定されており分野を超えた幅広い知識が身に付けられます。
様々な分野の研修や講演が受けられるので専門外の治療法の利点や合併症を知ることができ、結果として治療法の客観的な評価ができるようになります。
専門医療機関や病院との医療連携が取れます。
異業種間での医療連携と技術供与ができます。
敷居の低く会員全員参加型の学会なので学会員が有する貴重な知識や経験を発表することができます。
発表や論文作成に不慣れな会員のためにサポートシステムがあります。
会員間のネットワーク構築により会員相互で患者さんの紹介が可能となります。
歯科衛生士や歯科技工士と獣医師など異業種間での交流の場ができます。
学会参加と学会発表で認定資格が取得できます。
セカンドオピニオン医資格を講習会受講で取得できます。
一貫性を持った教育プログラムを継続して受けられます。