第4回学会認定セミナー

平成24年7月15日(日)

 

  「歯周治療の再考」 


講師:江田昌弘先生(えだ歯科医院)

 

歯周病は多くの人々が罹患しており成人で80%もの人がかかっているといわれております。
その多くはほとんど自覚症状がなしに進行し、気づいたときには抜歯されることが多いという大変やっかいな病気です。
しかし、これまでの多くの研究で、その原因はプラークを初発因子として様々な細菌因子、環境因子、生体因子が 影響し合って進行することが分かってきています。
 また、最近では歯周病の影響が口腔内の病態にとどまらず、全身に及ぶことがいろいろと分かってきています。
歯周ポケット内に増殖した細菌や細菌の出す内毒素、酵素、あるいは炎症反応から生ずる生理活性物質が 血管やリンパ管を通り、全身の循環系に作用し、動脈硬化や心臓疾患系、さらには脳梗塞にまで関連し、妊娠時には 早産、婦人科系では骨粗鬆まで影響を及ぼすことが示唆されています。
 これらのことから、歯周病を単なる口腔疾患ととらえず、全身の健康に関与することを理解することが必要であると思われます。
以上の背景を基に歯周治療を考察したいと思います。