第3回学会認定セミナー
平成24年5月20日
教育講演
演題: 「咀嚼器官の比較解剖学的な考察」
神奈川歯科大学人体構造学講座組織学分野 教授
学会副会長 高橋 理
抄 録:
ヒトの解剖学的な特徴は直立歩行に起因し、必然的に巨大な脳(頭蓋)とせまい骨盤腔が他の哺乳類と異なります。脊椎動物において口腔という器官は消化器系の門戸に位置し消化、呼吸、嚥下、発音、免疫など重要な機能的側面を形成します。したがって口腔の疾患および加齢変化は哺乳類において常に観察されますが、ヒトに特徴的な事象が散見されます。本講演では、哺乳類の顎・顔面・口腔領域に共通する諸問題から、ヒトの口腔の諸構造をあらためて考察したいと考えます。