口腔外科学

 

担当講師:野原 通


 歯科臨床では口腔外科的処置は頻繁に行われます。中でも抜歯は一次医療機関で行われる口腔外科診療としてはきわめて頻度が高い医術です。しかし、抜歯は患者さんそれぞれの全身状態や投与されている薬物、歯の状態によって術式や術後の投薬が異なり、けっして単純なものではありません。あらゆる知識を総動員して対応すべきものです。たとえば、近年ではビスホスホネート製剤を投与されている患者さんが安易に抜歯をされたことから顎骨骨髄炎に至り、長期にわたる抗菌化学療法や入院手術が必要となる事例も少なくありません。またこれが原因で医事紛争に至ることもあります。
 こうした現状から、一次医療機関を担う歯科医師は総合口腔医として、抜歯をはじめとした口腔外科における知識と医術をもう一度見直す必要があります。
口腔外科セミナーにおいてはとくに一次医療機関で診療をされている歯科医師の方が十分に理解でき、これが実際の診療に役立てるような講義を行います。
 

1.口腔医療における抗菌薬の選択
2.口腔医療における鎮痛薬の選択
3.歯性感染症の診断と治療
4.顎骨骨髄炎の診断と治療
5.歯科一次医療機関における口腔外科小手術
6.ビスホスホネート製剤使用中における歯科診療の注意点
7.口腔癌の診断と治療