2018年11月4日、第17回学術セミナーのご報告です。
ペットも人間と同様に齲蝕や歯周炎によって抜歯を余儀なくされることがあり、
抜歯手技のニーズが多いにもかかわらず、
現在の大学獣医科のカリキュラムには口腔・お口についての教育はありません。
動物病院では、
大学を卒業してから、歯科の専門知識を独自に学んで
お口の中の治療を行っている先生もいれば、
なんとなく見よう見まねで
乱暴な手技になってしまったり、抜歯をためらう
というレベルの病院もあるようです。
私もそのような現状だと言われた時は、信じられない思いでしたが、
実際に専門知識を学んでいる獣医師は、ほんのわずかで、
誤った知識による乱暴な処置を行ったことによるトラブルや
抜歯せざるを得ない状態にもかかわらず(痛みに強い犬が)痛がっていないから。と、放置して、後々、顎骨骨髄炎などの深刻な感染症になってしまう。
などの問題が後を絶たないそうです。
今回は、歯科医師が日頃行っている抜歯の基本な手技や心得をお伝えし
実際の犬の抜歯を成功させるために用意すべき器具や抜歯方法の解説。
さらには
犬の顎模型を使って、歯根分割、抜歯や縫合といった実際の手技を実習しました。
ペットの健康で快適な生活を守り、ペットと飼い主さんの幸せを守っていけるように
歯科医師と獣医師が共に学んでいくことができたら幸いです。
貴重なお時間をありがとうございました。
レポート/あらやしき歯科医院 嶋倉史剛